ウイルス
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特集2:ワクチンの現状と将来
世界ポリオ根絶計画から学ぶ感染症コントロールの根本
宮村 達男
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2009 年 59 巻 2 号 p. 277-286

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抄録
 ウイルス感染症との戦いの歴史において,人は天然痘の根絶という金字塔を打ち立てた1).そして(i)病気を正しく知り,おそれる,(ii)伝播様式など病原体の性状を正しく知る,(iii)安全で有効なワクチンを持つ,(iv)正確で迅速なサーベイランスと新しい科学的知見に基づく機敏な戦略をたてることが感染症コントロールの基本であることを知った.ポリオは既にSalk不活化ワクチン2),Sabin生ワクチン3)によって先進諸国ではほぼ完全にコントロールされていたが,World Health Organization(WHO)は1988年,果敢にも6つのワクチンによる予防可能疾患の筆頭として世界ポリオ根絶計画をスタートさせた.
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© 2009 日本ウイルス学会
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