ウイルス
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平成23年杉浦賞論文
HTLV-1 bZIP factor遺伝子によるHTLV-1病原性発現機構の解析
佐藤 賢文
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2012 年 62 巻 1 号 p. 113-120

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抄録
 HTLV-1はATLやHAM/TSPなどの病気を引き起こすレトロウイルスである.ウイルスの発見から30年以上が経過した現在でも,その病原性発現機構について不明な点が多く残されている.今から約10年前にHTLV-1 bZIP factor (HBZ)がHTLV-1の裏側にコードされている事が明らかとなった.私たちの研究グループは,HTLV-1感染細胞が腫瘍化したATL細胞において,Taxの発現がしばしば欠失しているのに対して,HBZの発現はほとんど全てのATL細胞で維持されている事を明らかにした.さらにHBZが感染細胞の増殖に関わる事,HBZトランスジェニックマウスの解析からHBZがT細胞腫瘍化能を持つ事が示され,次第にHBZによるウイルス病原性発現メカニズムが明らかにされつつある.HBZの登場によりもたらされたHTLV-1研究のパラダイムシフトが,HTLV-1関連疾患の発症予防や新規治療法開発へとつながる事が期待される.
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© 2012 日本ウイルス学会
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