ウイルス
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特集:エボラ出血熱との戦いの総括
エボラ出血熱の予防・治療・診断法開発の現状
古山 若呼高田 礼人
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2016 年 66 巻 1 号 p. 63-72

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抄録

 エボラウイルスはフィロウイルス科に属し,ヒトを含む霊長動物に重篤な出血熱をひきおこす病原体として知られており,その致死率は90%におよぶ事もある.しかし,エボラウイルスに対して効果的なワクチンおよび抗ウイルス薬は実用化されていない.近年,過去に類を見ない大規模なエボラ出血熱の流行が西アフリカで発生し,未承認ながら幾つかのワクチンおよび治療薬が試された.この流行を契機に,エボラ出血熱の予防・治療・診断法の研究開発が加速し,実用化に向け臨床試験も盛んに進められている.本稿では,それらの研究開発の現状を紹介する.

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© 2016 日本ウイルス学会
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