ウイルス
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トピックス2:新しく見つかってきた身近な植物ウイルス
フシダニ類で媒介されるエマラウイルスと作物への被害
久保田 健嗣
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2017 年 67 巻 1 号 p. 37-48

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抄録
 植物ウイルスのエマラウイルス属(Emaravirus)は,2009年に設立された比較的新しい属で,フシダニ類によって媒介される,多分節の1本鎖(-)RNAウイルスのグループである.エマラウイルスは,約80年前から報告されていた病害である,イチジクのモザイクや,キマメのsterility mosaic等の病原ウイルスであることが明らかとなった.また,ディープシーケンス技術の普及により,新たなエマラウイルス種が次々と発見され,ゲノム塩基配列の決定と遺伝子機能の解明が進められて,特徴的なゲノム構造を有することが見いだされている.本稿では,世界の農業現場におけるエマラウイルスの発生状況と,ウイルスゲノムおよび遺伝子機能に関して,これまでに報告されている知見を概説する.また,日本のシソ産地から発見された,新たなエマラウイルスと推定されるシソモザイクウイルスについて,我々のグループで行っている研究内容や防除技術開発について紹介する.
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© 2017 日本ウイルス学会
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