ウイルス
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総説
エボラウイルス研究の最前線
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2021 年 71 巻 2 号 p. 137-150

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抄録
 2013-2016年に発生したエボラウイルス病(Ebola virus disease: EVD)の流行は,ギニアを発端として西アフリカ全土に広がり,最終的に2万8000人以上の感染者を出す過去最大規模のEVDアウトブレイクとなった.本稿では,本流行の原因となったエボラウイルスMakona variantに関する研究結果を概説するとともに,Makona variantが有する特徴的なウイルス性状について紹介する.また,流行終息から5年を経てギニアにて再燃したEVDアウトブレイクと,EVD生存者体内に存続するエボラウイルスとの関連について論じる.さらに,最近報告されたEVD回復患者の再発症例などを踏まえ,明らかになりつつある新たなエボラウイルスの生態ならびにEVDアウトブレイクの形態について考察する.
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