抄録
21世紀に入ってからわずか四半世紀の間に,SARS,パンデミックインフルエンザウイルス,MERS,ジカウイルス,SARS-CoV-2と様々なRNAウイルスによる感染症が流行してきた.このような新興・再興ウイルスが発生・流行した際,いち早くウイルスの性状を解析したり,予防法を開発することは,公衆衛生上非常に重要である.
筆者らは,ジカウイルスが精巣に損傷を起こし,精巣萎縮を引き起こすこと,蚊の唾液腺蛋白質を基盤としたワクチンがジカウイルスの蚊-哺乳類間伝播・感染を抑制すること,患者から分離されたSARS-CoV-2オミクロン変異株BA.2株,BA.4株およびBA.5株の病原性がオミクロンBA.1株と同程度であること,制御性T細胞を標的としたワクチン効果増強戦略が有効であることを明らかにしてきた.本稿ではそれらの知見について紹介させていただく.