ウイルス
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特集2:ウイルス研究の基盤強化と安全管理
ウイルス命名作業部会報告2024:背景,活動内容,役割
鈴木 信弘岩谷 靖雅松野 啓太西村 秀一渡辺 登喜子山田 雅夫
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2024 年 74 巻 2 号 p. 141-148

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抄録
 ウイルス命名作業部会(VNWG)は,重要ウイルスの和名を公式に確立するための組織として2022年に日本ウイルス学会(JSV)の下に設立された.VNWGでは,先ずどのウイルスが当該コミュニティにとって重要であるかを,専門家,関連学会の助言を仰ぎながら決定した.VNWGとして最終決定したウイルス和名リストは,JSVホームページ <http://jsv.umin.jp/news/news241125.html >に掲示されている.そのリストは,日本で発生した(している)植物ウイルス/ウイロイド,日本にゆかりのある藻類/菌類ウイルス,ヒト/動物ウイルスを含む.原則として,一つのウイルス(系統)英名に対し一つの和名を割り当て,国際ウイルス分類委員会(ICTV)が定期的に発行するVirus Metadata Resources(VMR_MSL39_v1)ファイルに新たなカラムを設けて記載した.本稿では,VNWGの役割と深く関係するICTVによるウイルス分類の最近の大きな3つの変化(1. ウイルス種名への二名法の導入,2. 域,界等上位分類群の設定,3. 生物学的性状不明なウイルス系統のコーディング領域配列のみに基づく種への帰属の承認)を解説するとともに,VNWG設立の背景,VNWGが議論してきた内容,直面した課題も紹介した.我々の取り組み,努力がウイルス学の文法ともいうべきウイルス命名/分類の理解に役立つことを願う.
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