抄録
医薬品安全性試験で心電図QT間隔の評価がこの十数年話題となってきた。 これは,QT間隔の延長とそれに伴うTorsade de pointesと呼ばれる多形性心室頻拍の副作用がみられた薬剤が市場から撤退したことによる。それゆえに医薬品安全性試験でQT間隔の評価は非常に重要である。ヒトやイヌ,サルの心電図においてQT間隔とRR間隔は正の相関で変化し,かつ非線形である。本報告では,サル長時間心電図におけるQT間隔のようにノンパラメトリックなデータの統計学的手法としてbootstrap法での分析方法を紹介する。