2019 年 52 巻 2 号 p. 45-52
犬の肺高血圧症 (PH) を伴う僧帽弁閉鎖不全症 (MMVD) の右心機能評価は重要であるが,犬のPHを伴うMMVDの超音波検査による右心機能指標の有用性については十分にわかっていない。本研究の目的は10頭のMMVD犬の超音波検査指標を用いた右心機能の有用性を10頭の正常犬の超音波検査指標と比較することにより評価することである。正常犬と比較してMMVD犬はeccentricity indexが有意に高値に,右室面積変化率 (FAC) が有意に低値に,右室拡張早期流入波/心房収縮期波 (E/A) が有意に低値になった。超音波検査指標はPHを伴うMMVD犬の右心機能評価の有用な検査法である。