職業リハビリテーション
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措置入院を繰り返してきた精神障害者の就労援助
社会適応訓練事業を活用した職業レディネスの形成
浅沼 奈美中山 順子柏木 由美子八重田 淳
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2003 年 16 巻 p. 60-66

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抄録
「社会適応訓練事業」は昭和45年に「職親制度」として開始され、平成7年の法改正で法的に位置づけられ、職業準備性を高める役割が期待されている。今回、比較的作業能力はあるが継続的な相談援助関係が持ちにくく措置入院を繰り返してきた精神障害者の職業レディネスの形成に社会適応訓練事業を活用し、地域の関係機関が援助を行った。事例より本制度が果たした役割は個別性に沿った訓練時間や日数等のゆるやかな枠組みで訓練プログラムを作成し、達成可能な課題を段階的に取り組むことを可能にした。本制度を活用することで親機能 (Foster) を持つ職親始め地域の関係機関が連携し「社会資源を活用できる力」の基盤となる「人との関係性を育む」過程をチームで、提供できた。以上より本制度を地域の関係機関が連携して活用することは、重症の精神障害者の職業レディネスの形成にも効果的である事が示唆された。
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© 日本職業リハビリテーション学会
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