2006 年 15 巻 6 号 p. 569-572
症例は73歳の男性. 歩行中に, 突然両足趾の疼痛が出現した. 近医で抗血小板剤を投与されたが, 症状は増悪し当科紹介となった. 初診時, 両足趾にチアノーゼと安静時疼痛を認めた. 抗血小板剤や血管拡張剤を静注や経口で投与したが, 効果はなかった. CTでは腎動脈下腹部大動脈はshaggy aortaを呈していた. Shaggy aortaが原因のblue toe syndromeと診断し, 人工血管置換術を施行した. 術後, 疼痛は軽快し, チアノーゼも徐々に消失していった. その後, 合併症はなく手術は有効であった.