2008 年 17 巻 1 号 p. 25-28
今回われわれは異なる治療を行った 2 例の肝動脈瘤を経験したため,文献的考察を加えて報告する.1 例は総肝動脈から固有肝動脈に達する紡錘形肝動脈瘤を認め,瘤切除および大伏在静脈置換術を施行した.もう 1 例は右肝動脈に嚢状に生じた肝動脈瘤に対して経カテーテル的コイル塞栓術を行った.2 例とも,術後経過は良好で瘤内の血流が消失し,軽快退院した.肝動脈瘤は腹部内臓動脈瘤内では脾動脈瘤に次いで多いといわれているが比較的稀な疾患である.破裂した場合の死亡率は高く,積極的な治療が必要である.