日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
ベーチェット病患者に発生した感染を疑わせる腹部大動脈瘤の 1 手術例
保科 克行大島 哲
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 17 巻 4 号 p. 509-513

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抄録
症例は58歳,男性.7 年前より不全型ベーチェット病に対しフォローされていた.2007年 4 月に発熱・腹痛・関節痛を主訴に来院し,CTで腹部大動脈瘤を認めた.瘤は嚢状で大動脈分岐部右側に存在し,瘤壁は淡い造影効果を伴った毛羽立ち状に認められ,内部のlow density areaは隔壁を伴っていて膿瘍の存在が示唆された.WBC 11700 / mm3,CRPも4.1mg / dlと高く感染性瘤の可能性があると考え,術前から抗生剤を投与した.手術は瘤切除掻爬,高濃度リファンピシン浸透Y graftを使用し左側後腹膜経路での腹部大動脈-左総腸骨動脈,-右大腿動脈(恥骨上迂回路)バイパスを行った.馬蹄腎を認め大動脈遮断・閉鎖時に峡部を一部切離し,右腎下極枝を結紮切離した.術中採取組織からの培養は陰性であったが,臨床データからは感染の可能性があったため今後長期にわたる抗生剤投与が必要と考えられた.
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