日本血管外科学会雑誌
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Print ISSN : 0918-6778
症例
感染性腹部大動脈瘤術後に生じた人工血管-十二指腸瘻の 1 治験例
羽森 貫西本 昌義福本 仁志
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 17 巻 5 号 p. 569-573

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抄録
症例は70歳,男性.69歳時,感染性腹部大動脈瘤に対し腹部大動脈人工血管置換術を施行された.退院後 8 カ月目に貧血と意識消失発作を認め,緊急入院となった.消化管内視鏡検査では異常を認めず,入院後 5 日目に突然の下血を認めた.緊急CT検査で人工血管末梢側吻合部仮性瘤と瘤内ガス像を認めたため,当センターへ救急搬送された.人工血管—腸管瘻と診断し,緊急手術を施行した.ショック状態であったため,まず左腋窩動脈を露出し下行大動脈内へ大動脈閉塞用バルーンカテーテルを挿入した.開腹すると,末梢側吻合部は離開し仮性瘤形成を認め,また十二指腸との瘻孔を認めた.左腋窩動脈—両大腿動脈バイパス術を施行した後に人工血管の除去,同部への大網充填術を施行した.最後に瘻孔切除と十二指腸—空腸吻合術を施行した.術後,人工血管周囲膿と血液培養からMRSAを検出し,塩酸バンコマイシンを投与した.その後経過良好で約 1 カ月後に独歩退院となった.本症例はショック状態であり,大動脈閉塞用バルーンカテーテルを用いて出血のコントロールを行ったことと,非解剖学的バイパス術に加え大網充填術を施行したこと,術後抗生剤が奏功したことで感染制御を得られ救命した.
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