日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
原著
バスキュラーアクセス閉塞に対する外科的治療戦略
松丸 一朗高井 秀明山田 卓史
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2009 年 18 巻 5 号 p. 539-545

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抄録

【目的】バスキュラーアクセス(VA)閉塞に対する術式別治療成績をまとめ,現状と問題点について検討した.【方法】2001年 4 月から2008年 7 月までの 7 年 4 カ月間に当科で施行されたVA血栓閉塞例378例を対象とした.術前のVA形態は,自己血管使用皮下動静脈瘻(AVF)111例,人工血管使用皮下動静脈瘻(AVG)267例であった.血栓除去術単独群[TH単独群](n = 59),バルーン拡張術を追加施行した群[IVT群](n = 105),外科的再建術を施行した群[SR群](n = 127),および新たに内シャントを作製した群[新規VA群](n = 87)に分け,それぞれの開存率を比較検討した.【結果】AVF閉塞(n = 111)に対する各治療法別 6 カ月,12カ月の開存率は,TH単独群(n = 11)66%,66%,IVT群(n = 12)54%,46%,SR群(n = 37)95%,83%で,SR群が有意に良好であった(log rank,p < 0.05).新規VA群は,AVF 69%,61%,AVG 58%,52%であった.AVG閉塞(n = 267)では,TH単独群(n = 48)34%,22%,IVT群(n = 93)45%,28%,SR群(n = 90)47%,35%であり,統計学的有意差は認めなかった.新規VA群は,AVF 50%,50%,AVG 69%,61%であった.【結論】AVF閉塞に対する外科的再建術の成績は満足できるものであった.VAの長期開存には人工血管使用回避が望ましく,可及的な自己静脈による再建が重要であると考えられた.

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