2010 年 19 巻 4 号 p. 561-564
症例は74歳女性.71歳時腹部大動脈瘤に対して自作ステントグラフト(tapered type)+大腿動脈-大腿動脈交差バイパスによる治療を施行され外来経過観察を行っていた.術後31カ月目にtype Iエンドリークを認め,再手術となった.ステントグラフトが瘤内に落ち込むようにmigrationし,中枢からのtype Iエンドリークを認めたため中枢端にバーブを有するZenithを選択し,Converterを用いてaorta-uniiliac typeとすることとした.手術は問題なく終了し,CT(computed tomography)でもエンドリークは消失した.本症例で用いた自作ステントグラフトはバーブやナイチノールアンカーといった固定装置を有しておらず,エンドリークの原因の一因となったことが考えられる.