日本血管外科学会雑誌
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症例
自然回復した膝窩動脈外膜嚢腫の1例:過去の報告例の検討
月岡 祐介村井 則之
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2011 年 20 巻 7 号 p. 937-940

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抄録

膝窩動脈外膜嚢腫は外膜に生じた嚢腫が動脈内腔を圧排することにより下肢虚血症状を来す,外傷歴のない若年者に生じる比較的稀な疾患である.今回われわれは,運動時に生じる下肢痛を契機に診断され,加療前に自然軽快した症例を経験したので報告した.下肢に外傷の既往のない41歳の活動性の高い男性.主訴は運動時の左下腿痛.下肢造影CTで,左膝窩動脈を圧排する径19 mm,長さ48 mmの造影効果のない半月状の内部均一嚢腫を認めた.左膝窩動脈外膜嚢腫と診断し,エコーガイド下穿刺予定とした.しかし術前日になり症状の改善を認め,下肢造影CTでも嚢腫の縮小(径13 mm,長さ38 mm)と膝窩動脈内腔の拡張を認めたため経過観察することとした.膝窩動脈外膜嚢腫は稀な疾患であるが,活動性の高い年齢層に発症し治療によりADLの著明な改善が期待できる良性疾患である.下肢虚血の症例では本症例を念頭に置いて診療に当たる必要がある.

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