抄録
要 旨:症例1は75歳,男性.左踵部壊疽にて,下腿動脈へのバイパス術を施行し,踵部壊疽はdebridementの後にVAC(vacuum-assisted closure; VAC)を施行し,右広背筋遊離筋皮弁術を施行し救肢し得た.症例2は62歳,男性.右足趾および足底部の潰瘍,壊疽にて,下腿動脈へのバイパス術を施行し,足部に対しては右足趾切断術および足底部のdebridement,VACを施行の後に右広背筋遊離筋皮弁術を施行し救肢し得た.重症虚血肢に対しては積極的な血行再建術および組織欠損に対し充填術を用いた集学的治療を施行することにより,従来は救肢困難とされていた症例でも救肢が可能である.