日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
胸部ステントグラフト術後エンドリークと腹部大動脈瘤の合併に対して二期的に腹部ステントグラフト治療と下行置換を行った1例
饗場 正宏安西 兼丈木川 幾太郎横川 秀男
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2012 年 21 巻 7 号 p. 843-847

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抄録
要  旨:症例は57歳男性.Stanford B型急性大動脈解離による下行大動脈のULP拡大に対して初回の自作ステントグラフトを使用した胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR)とその合併症(タイプIエンドリークとmigration)に対する再治療と過去2回のTEVARの既往がある.今回,最大径60 mmのAAAを指摘されたが胸部CTで下行大動脈にステントグラフトのタイプIIIエンドリークと大動脈の拡大(48 mm)を認めた.胸部と腹部大動脈の重複疾患であり手術リスクが高いため治療戦略を検討し,TEVAR後のエンドリークに対して下行置換をAAAに対してEVARを選択した.手術はEVARを先行させ2カ月後に二期的に下行置換を行い,対麻痺などの合併症を生じず良好な結果を得た.
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