日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
Angiosome を考慮した血行再建後の集学的治療により救肢できた1 例
田中 慎一福永 亮大岡留 淳久良木 亮一松本 拓也前原 喜彦
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2014 年 23 巻 1 号 p. 13-16

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抄録

要旨:症例は51 歳女性.全身性エリテマトーデス,末期腎不全で維持透析中である.左足趾潰瘍壊疽に対し前医で前脛骨動脈,腓骨動脈に血管内治療が行われたが治癒しないため,膝下での大切断を勧められた.自宅近くでの加療を希望され当科紹介となった.血管造影検査では前脛骨動脈は開存しているものの,後脛骨動脈領域の血流は乏しく,皮膚灌流圧も足底部は低値であった.自家静脈グラフトを用いた左膝窩動脈-後脛骨動脈バイパス術,左足中足骨切断を施行した.切除断端の肉芽の盛り上がりは良好であった.グラフト閉塞予防のためにヘパリンを投与していたが術後7 日目に閉塞した.しかし,前脛骨動脈に対する血管内治療,持続陰圧閉鎖療法,分層植皮術などの集学的治療を行ったところ,救肢できた.

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