2014 年 23 巻 1 号 p. 62-66
要旨:症例は29 歳の男性で,25 歳の時に完全型ベーチェット病の診断を受けていた.右大腿動脈に動脈瘤を認め,経過観察されていた.今回,右腓腹部痛を主訴に来院され,下肢造影CT 検査上,最大径64 mm の右大腿動脈仮性瘤を認めた.入院安静により一時症状は改善傾向を認めたが,右大腿動脈瘤からの血栓によるものと考えられる右母趾皮膚壊死を認めたため,Dacron graft を用いた右大腿動脈人工血管置換術を行った.術後2 年が経過しているが,吻合部瘤を形成することなく良好に経過している.