日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
神経線維腫症1 型に合併した膝窩動脈瘤の1 例
新谷 恒弘植木 力秋本 剛秀坂口 元一
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 23 巻 7 号 p. 972-976

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抄録

要旨:症例は51 歳男性.神経線維腫症1 型(NF-1)の診断を受けていた.右下肢の疼痛を主訴に受診し,造影CT 検査にて右膝窩動脈瘤を指摘された.動脈瘤の最大短径は35 mm で,膝窩動脈末梢は塞栓によりびまん性狭窄を認めていた.動脈瘤破裂と下肢虚血予防のために手術が必要と判断した.NF-1 に合併した動脈瘤は非常に脆弱であることに加え,本症例の動脈瘤は浅大腿動脈まで波及しており,後方アプローチでは手術困難と判断し,内側アプローチによる自家静脈を用いた浅大腿動脈-前脛骨動脈バイパス術および血管内治療を併用し瘤空置術を施行した.NF-1 に伴う血管病変は稀であるが,そのなかでも膝窩動脈瘤の報告は少なく文献的考察を加えて報告する.

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