日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
鈍的大動脈損傷に対しHybrid Arch TEVAR を施行した1 例
酒井 麻里松田 均宮本 直和村上 博久吉田 正人向原 伸彦
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2015 年 24 巻 7 号 p. 971-974

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抄録

要旨:55 歳男性.約300 kg のステンレス板と鉄骨の間に挟まれ受傷.左肺挫傷,左第3–5 肋骨骨折とともに,大動脈弓部~下行大動脈と左総頸動脈に解離を認めた.受傷1 時間後から3 時間後にかけて縦隔血腫の増大がみられたため,右腋窩-左総頸/左腋窩動脈バイパス術,胸部大動脈ステントグラフト内挿術,左鎖骨下動脈コイル塞栓術を施行した.手術時間3 時間45 分,出血量50 ml で,手術室で抜管の後,術後14 日目に退院.術後1 カ月で職場復帰した.術後CT ではエンドリークやステントグラフトの変形,マイグレーションを認めなかった.致命的合併外傷を伴わない鈍的大動脈損傷に対し頸部動脈バイパス術を併施したTEVAR が有効であった.

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