日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症および上行大動脈瘤を合併した偽性大動脈縮窄症に対し大動脈基部から縮窄部末梢まで人工血管置換術を施行した1 例
藤井 政彦茂木 健司櫻井 学野村 亜南若林 豊高原 善治
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2016 年 25 巻 p. 110-113

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抄録
要旨:症例は32 歳男性.心室中隔欠損症,動脈管開存症,大動脈縮窄症,肺高血圧症の診断で1 歳時にVSD パッチ閉鎖術+PDA 結紮術を施行された.術後の縮窄症の圧較差は軽度(10 mmHg 程度)であったため偽性大動脈縮窄症として経過観察されていた.また,心エコーで大動脈二尖弁による大動脈弁狭窄症を指摘され,17 歳時に当科で大動脈弁交連切開術を施行した.その後徐々に大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症が進行し,CT 検査で上行大動脈瘤(67 mm)を認めたため,modified Bentall 手術および縮窄部を含めた上行弓部置換術を施行した.大動脈瘤を合併した偽性大動脈縮窄症に対する手術報告は少なく,大動脈瘤の位置によりその術式はさまざまである.過去の文献報告を基に大動脈瘤合併偽性大動脈縮窄症の手術戦略を考察した.
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