日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
開腹手術に移行した腹部大動脈ステントグラフト内挿術後type Ia エンドリークの1 例
毛利 亮祐西田 聡高木 剛
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ジャーナル オープンアクセス

2016 年 25 巻 p. 129-132

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抄録
要旨:症例は88 歳男性.腹部大動脈瘤に対してGore Excluder を用いたステントグラフト内挿術を施行したが,2 年後に腹痛を認め救急外来に受診となった.腹部大動脈瘤の著明な増大とtype Ia エンドリークを認めたため切迫破裂と診断し,delayed open surgical conversion を施行した.腎動脈下大動脈をステントグラフトとともに遮断し,さらに大動脈瘤内でイリアックレッグを遮断した.ワイヤーカッターを用いてメインボディおよびイリアックレッグを切断し,Y 型人工血管を中枢では温存したメインボディと大動脈壁に,末梢ではイリアックレッグに吻合した.術後経過は良好で,ステントグラフトの破損や変形はなく早期に退院となった.腎動脈上大動脈の遮断を回避したステントグラフトの部分摘出によるdelayed open surgical conversion は安全で確実な方法と考える.
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