抄録
要旨:2013 年から日本血管外科学会は,我が国の血管外科医により行われている重症下肢虚血(critical limb ischemia; CLI)診療の現状を明らかにし,その結果を現場の医師に還元することで,医療の質の向上に貢献することを目的として,全国規模のCLI 登録・追跡データベース事業を開始した.このデータベースは,非手術例も含むCLI 患者の背景,治療内容,早期予後,および術後5 年までの遠隔期予後を登録するもので,JAPAN Critical Limb Ischemia Database(JCLIMB)と呼称し,NCD 上に設置された.2013年は87 施設が1207 肢(男性874 肢:72%,女性333 肢)のCLI を登録し,ASO が全体の98%を占めた.この年次報告書では,登録症例の背景,虚血肢状態,治療,術後1 カ月の早期予後を集計し報告する.