2017 年 26 巻 3 号 p. 149-152
当院において2010年6月から2016年12月の間に血管内治療を施行した腸骨動脈瘤を含む腹部大動脈瘤は66例であった.術後瘤径の拡大を6例に認め,そのうち10 mm以上の拡大を来たし,開腹移行した症例は3例あった.Type II endoleakを疑い開腹移行したが,2例はステントグラフトのfabricに欠損を認めた.術後経過よりtype II endoleakと考えられたが,実際はfabricに欠損を生じたtype IIIb endoleakと腰動脈,正中仙骨動脈からのtype II endoleakのmixed typeであった.Type III endoleakはグラフトの継ぎ目から生じるtype IIIaの報告はしばしば見受けられるが,遅発性に生じるtype IIIb endoleakの報告は依然として稀である.術後遠隔期に開腹移行し,type IIIb endoleakと診断した症例を2例経験したので報告する.