日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
遅発性type IIIb endoleakの2例
小林 卓馬 松濱 稔後藤 智行
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2017 年 26 巻 3 号 p. 149-152

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抄録

当院において2010年6月から2016年12月の間に血管内治療を施行した腸骨動脈瘤を含む腹部大動脈瘤は66例であった.術後瘤径の拡大を6例に認め,そのうち10 mm以上の拡大を来たし,開腹移行した症例は3例あった.Type II endoleakを疑い開腹移行したが,2例はステントグラフトのfabricに欠損を認めた.術後経過よりtype II endoleakと考えられたが,実際はfabricに欠損を生じたtype IIIb endoleakと腰動脈,正中仙骨動脈からのtype II endoleakのmixed typeであった.Type III endoleakはグラフトの継ぎ目から生じるtype IIIaの報告はしばしば見受けられるが,遅発性に生じるtype IIIb endoleakの報告は依然として稀である.術後遠隔期に開腹移行し,type IIIb endoleakと診断した症例を2例経験したので報告する.

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