日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
止血デバイスEXOSEAL使用後の急性下肢動脈閉塞に対しプラグ塞栓除去を行った一例
岸田 賢治野村 幸哉三重野 繁敏
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キーワード: EXOSEAL, 合併症, 急性下肢虚血
ジャーナル オープンアクセス

2019 年 28 巻 6 号 p. 411-414

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抄録

EXOSEALは,穿刺部血管外にPGA(polyglycolic acid, ポリグリコール酸)プラグを形成し止血を図るデバイスである.今回,EXOSEAL使用後にPGAプラグによる急性膝窩動脈閉塞を認め,外科治療により塞栓子除去を行った症例を経験した.症例は84歳,女性で,右鼠径部を穿刺して左浅大腿動脈に対する血管内治療を行った.治療後,穿刺部にEXOSEALを用いて止血した.一般病棟帰室後より右下肢虚血症状を認め,急性膝窩動脈閉塞の診断を得た.緊急手術で右総大腿動脈をカットダウンし,FogartyスルールーメンカテーテルでPGAプラグ除去を行い,再灌流に成功した.EXOSEAL特有の稀な合併症であるが,デバイスの構造,止血機序などを理解しておくことは血管内治療に携わる者にとって重要である.

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