2019 年 28 巻 6 号 p. 403-406
鎖骨下動脈瘤は稀な疾患であり,術式としては,ステントグラフト内挿術や胸骨正中切開あるいは左開胸での人工血管置換術などさまざまな報告があるが,患者の年齢や解剖学的所見などにより術式が選択されているのが現状である.症例は59歳女性.検診で撮像した胸部レントゲンで縦隔腫瘍が疑われたため造影CT検査を行ったところ,左鎖骨下動脈起始部に動脈瘤を指摘され当科に紹介となった.術式は,患者が若年であることや,弓部大動脈が解剖学的に急峻であることなどから,胸骨正中切開での弓部大動脈人工血管置換術(TAR)を選択した.術後の経過は良好であり,引き続き外来で経過観察中である.今回われわれは左鎖骨下動脈瘤に対し,胸骨正中切開下でのTARを行い,良好な経過を得られた症例を経験した.本疾患の治療法に関しては,患者の背景を考慮し人工血管置換術を含めた適切な術式が選択されるべきであると考える.