日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
抗凝固薬の中止により自然軽快したEVAR後type 2エンドリークによる腹部大動脈瘤破裂の1例
深田 穣治 佐藤 宏田宮 幸彦
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 29 巻 1 号 p. 37-41

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抄録

腹部大動脈ステントグラフト内挿術(EVAR)後に残存したtype 2エンドリーク(T2EL)によって腹部大動脈瘤(AAA)の破裂をきたしたが,服用していた抗凝固薬を中止することで自然軽快した症例を経験した.症例は心房細動に対し抗凝固薬を服用していた77歳,男性で,2年7カ月前にAAAに対してEVARを受けた.T2ELによって瘤径が拡大しEVAR後2年目に下腸間膜動脈のコイル塞栓術を追加したが,T2ELはその後も残存し破裂に至った.しかし,抗凝固薬の中止により追加治療なしに自然軽快し瘤径も縮小した.抗凝固薬がEVAR後のエンドリークに与える影響は明らかではなく文献的考察を加えて報告する.

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