日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
小児ポリオに対する下肢動静脈吻合術後遠隔期に外腸骨動脈瘤破裂を来した1例
姉川 朋行 廣松 伸一新谷 悠介中村 英司大塚 裕之田山 栄基
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2021 年 30 巻 1 号 p. 13-16

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抄録

外腸骨動脈瘤は孤立性腸骨動脈瘤の1%程度と稀な疾患である.今回,小児ポリオの罹患歴を有する孤立性外腸骨動脈瘤破裂の非常に稀な1例を経験した.症例は58歳男性.8歳時に小児ポリオの右下肢発育不全に対し右浅大腿動静脈血管吻合術を施行され,45歳時に右下腿難治性静脈うっ滞性潰瘍に対して右浅大腿動脈結紮術を施行していた.今回,運転中の意識消失による交通外傷で近医に救急搬送され,造影CTにて右外腸骨動脈瘤破裂と診断され当院へ転院となった.転院後直ちに緊急手術を行った.手術は右外腸骨動脈中枢をプラグで塞栓し,動脈瘤末梢は縫合閉鎖し,大腿動脈交叉バイパス術を施行した.小児ポリオに対する治療経過が動脈瘤形成に関与した可能性があり,文献的考察を加え報告する.

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