2023 年 32 巻 1 号 p. 69-72
腹部大動脈瘤(AAA)に対するステントグラフト内挿術(EVAR)は,その低侵襲性および有効性から広く普及し,本領域の不可欠な治療となっている.しかし,遠隔期におけるendoleakに関連する瘤径拡大は,その臨床成績向上には重要な問題である.今回初回EVAR 14年後に原因不明の著明な瘤径拡大に対し開腹瘤縫術施行後,再度の瘤径拡大を認め,type IVないしV endoleakと考え,人工血管置換も考慮したが,手術リスクを考慮し,ステントグラフトによるrelining techniqueを行い,瘤径縮小を認めた症例を経験したので報告する.