反回神経麻痺を伴う右鎖骨下動脈瘤は稀である.症例は67歳男性.嗄声の精査で右反回神経麻痺とCTで右鎖骨下動脈瘤を認めた.瘤は複雑な蛇行を伴っておりステントグラフトによるカバーやpacking法は困難で,直達手術では反回神経損傷が危惧されたため,ステントグラフトとバイパスを併施するハイブリッド手術(isolation法)を選択した.Propaten 7 mmで右総頸動脈から右鎖骨下動脈へのバイパスを施行し,腕頭動脈から右総頸動脈へのステントグラフト留置(Viabahn VBX 7×39 mm),右鎖骨下動脈瘤末梢のコイル塞栓術(Target 10 mm–40 cmとInterlock 8 mm–20 cm)を施行した.術後6カ月目に瘤の縮小に伴い嗄声の消失が得られた.嗄声や動脈瘤の拡大,バイパス閉塞などなく経過している.