日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
症例
急性上腸間膜動脈閉塞症に対して末梢血管血栓吸引デバイス(Indigo Aspiration System)を用いて血栓吸引療法を施行した一例
股部 紘也 輕部 義久阿賀 健一郎橋山 直樹孟 真齋藤 綾
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2025 年 34 巻 1 号 p. 25-29

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抄録

77歳男性.突然発症の腹痛で救急搬送され,CTで上腸間膜動脈(SMA)閉塞症と診断され,当院転院となった.血管内治療ののち,試験開腹の方針とした.造影すると中結腸動脈および第2空腸動脈の分岐直後での閉塞を認めた.血栓吸引デバイスシステムIndigo Aspiration System CAT8(Penumbra Inc., Alameda, CA, USA)を使用し良好な血行再建を得た.引き続き開腹下に腸管評価すると,回腸末端口側30 cmから口側約200 cmの腸管の漿膜面に黒色変化を認め,切除し,回腸末端,回盲部・上行結腸は温存できた.術後CTでSMAの良好な開存を確認し,術後14日目に退院した.SMA閉塞症の血行再建方法として末梢血管血栓吸引デバイスのIndigo Aspiration Systemが2023年9月に本邦で保険収載された.同デバイスを使用し良好な結果を得たので報告する.

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