2025 年 34 巻 5 号 p. 151-154
足背動脈瘤は末梢動脈瘤の中でも極めて稀な疾患である.当院で足背動脈瘤の手術例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は72歳女性で右足背部の拍動性腫瘤を指摘されて当科を紹介受診した.明らかな外傷の既往はなかった.造影CT検査にて足背動脈に8×12 mm大の囊状瘤が確認され,局所麻酔下に動脈瘤の切除および端々吻合による再建を行った.病理所見では仮性動脈瘤と診断された.術後経過は良好であり,術後1年間のフォローアップにおいても異常は認められていない.