日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
原著
孤立性上腸間膜動脈解離の治療戦略
永島 聖恭里 学 三保 貴裕牛草 淳
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 34 巻 6 号 p. 247-253

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抄録

【目的】孤立性上腸間膜動脈解離(ISMAD)は比較的稀で治療法は確立されていない.当科で経験したISMADを検討した.【方法】2011年1月から2023年10月にcomputed tomography angiography(CTA)でISMADと診断した39例の形態,治療法と成績を検討した.【結果】平均年齢57.6歳(19–81),男女比33 : 6, 平均観察期間39.1カ月(0–178)であった.Sakamoto分類はtype I 13例,type II 3例,type IV 23例であった.侵襲的治療は腸管虚血を呈したtype IIの1例に血管内ステント留置ならびに緊急開腹下腸切除術を,瘤径拡大を認めたtype Iの1例に動脈瘤切除およびバイパス術を施行し,37例には保存的療法を行った.全例生存し再発や合併症は認めていないtype I 1例,type II 1例,type IV 13例で解離腔が自然消失した.【結論】ISMADの多くは保存的治療可能である.腸管虚血や瘤径拡大を認めた場合は侵襲的治療を選択すべきである.

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