日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778

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急性心筋梗塞発症を契機に発見された上行大動脈内可動性巨大血栓の1例
瀨田 博允盆子原 幸宏東館 雅文
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論文ID: 12-00098

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抄録
要  旨:症例は43歳の肥満男性.再発下垂体腺腫に対してHardy法を施行後,ステロイドおよび甲状腺ホルモンの補充療法中に突然の胸痛が出現し,急性心筋梗塞を発症した.上行大動脈内の巨大腫瘤または解離した内膜フラップの右冠動脈口閉塞による心筋梗塞と考えられ,当科紹介となった.緊急手術の方針とし,上行大動脈を切開すると,内部には右冠尖に付着する約60 mmの円柱状の腫瘤を認めた.可及的に切除すると,付着部の弁,および周囲の冠動脈孔,動脈壁はほぼ正常であった.腫瘤は赤色で表面不整,軟であり,病理診断の結果は血栓であった.上行大動脈内の血栓は非常に稀であることから,診断,治療に難渋し,時に致死的な塞栓症を引き起こすため,早期の摘出術が肝要と考えられた.
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