抄録
本研究では,流量調整・スクリーンを有する方式の浄化槽にディスポーザ排水を導入した場合の処理性能への影響を明らかにするために,スクリーンによる固液分離能と汚泥返送量をパラメーターとした検討を行った。排水処理性能では,好気担体流動槽において,BODは微生物による同化反応により,ほぼ全ての溶存態BODが固形態BODに変換されるとともに,窒素は流入負荷の増加に伴い,微生物への同化反応が進行し,固形態T-Nが高くなることが明らかとなった。また,生成した固形態のBODとT-Nは,沈殿槽において,高い除去率で除去された。貯留汚泥への影響では,ディスポーザ排水の導入により,汚泥貯留量は増加するとともに,脱窒反応が進行した。また,高度処理化を図るために,汚泥返送量を増加した結果,汚泥返送量を流入水量の2倍に設定することで,処理水BOD 17.9 mg・L-1,T-N 13.2 mg・L-1と低下した。