抄録
塩水電解における次亜塩素酸の生成における塩素酸,過塩素酸の特性を把握するための検討を行った。6種類の異なる電極(主たる成分A:RuO2-TiO2,B:RuO2-IrO2-TiO2,C:IrO2-SnO2,D:IrO2-Pt,E:Pt,F:PbO2)を用いて塩水電解を行ったところ,生成装置の電極の材質により反応時の電位が異なり,次亜塩素酸の生成にともなって生成する塩素酸,過塩素酸の生成量が異なることが分かった。電流値が一定の条件では,端子間電圧が高い電極で電圧が高く,塩素(次亜塩素酸)の生成量が少なく,塩素酸,過塩素酸の生成量が多くなった。特に,白金電極(E)や二酸化鉛電極(F)において,次亜塩素酸あたりの過塩素酸の生成が顕著であった。電解における電位の違いにより,塩素酸,過塩素酸の濃度が高くなるため,次亜塩素酸を生成する工程,工場における電解等でも注意が必要である。