水環境学会誌
Online ISSN : 1881-3690
Print ISSN : 0916-8958
ISSN-L : 0916-8958
原著論文
塩水電解による塩素酸及び過塩素酸の生成特性と電極材質に関する検討
浅見 真理小坂 浩司島崎 大武井 佳奈子
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 37 巻 5 号 p. 189-195

詳細
抄録
塩水電解における次亜塩素酸の生成における塩素酸,過塩素酸の特性を把握するための検討を行った。6種類の異なる電極(主たる成分A:RuO2-TiO2,B:RuO2-IrO2-TiO2,C:IrO2-SnO2,D:IrO2-Pt,E:Pt,F:PbO2)を用いて塩水電解を行ったところ,生成装置の電極の材質により反応時の電位が異なり,次亜塩素酸の生成にともなって生成する塩素酸,過塩素酸の生成量が異なることが分かった。電流値が一定の条件では,端子間電圧が高い電極で電圧が高く,塩素(次亜塩素酸)の生成量が少なく,塩素酸,過塩素酸の生成量が多くなった。特に,白金電極(E)や二酸化鉛電極(F)において,次亜塩素酸あたりの過塩素酸の生成が顕著であった。電解における電位の違いにより,塩素酸,過塩素酸の濃度が高くなるため,次亜塩素酸を生成する工程,工場における電解等でも注意が必要である。
著者関連情報
© 2014 公益社団法人 日本水環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top