抄録
多段土壌層法において土壌層への通水資材の混合による通水性の改良効果と水質浄化能との関係を調査した。地域資源の活用に着目し,通水資材に島根県の地域資源であるゼオライト,石州瓦,来待石,ヤマトシジミの貝殻,竹炭を用いた。ゼオライトを除き通水資材の混合により土壌層の通水性が向上した。特に貝殻の混合が土壌層の通水性を高めカルシウムによって土壌構造が安定したためと考えられた。ゼオライトは交換性ナトリウム含量が高く,混合によって土壌が分散し通水性が低下したと考えられた。石州瓦は水質浄化に寄与する化学性は乏しいが通水性向上効果は高く,来待石は交換性ナトリウム含量の高さや脆さからか,その向上効果は低かった。竹炭は有機物除去能に優れていた。土壌層の通水量が多いほど水質浄化能の向上が見られ,特にリンで顕著であった。地域資源や廃棄物の利用により浄化性能を向上させることができ,これらを適用できる可能性が示された。