水環境学会誌
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技術論文
液体クロマトグラフィーによる水道水中のホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒド同時分析法の開発と妥当性評価
小林 憲弘鈴木 俊也小杉 有希菱木 麻佑加登 優樹金田 智植田 紘行河相 暢幸北本 靖子土屋 かおり木村 慎一古川 浩司岩間 紀知中村 弘揮粕谷 智浩堀池 秀樹京野 完髙原 玲華馬場 紀幸佐藤 信武久保田 領志五十嵐 良明
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2016 年 39 巻 6 号 p. 211-224

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抄録
水道水中のホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドを迅速・簡便に分析するために, DNPHで誘導体化した試料をLC/UVあるいはLC/MS/MSにより測定する方法を検討した。検討の結果, 水道水に塩化アンモニウムを加えて残留塩素を除去した後, リン酸とDNPHを加えて誘導体化した試料を測定した。いずれの測定機器を用いた場合も両誘導体のピークは短時間で良好に分離し, ホルムアルデヒドの基準値の1/10の濃度 (0.008 mg L-1) まで高精度に分析できた。さらに, 本研究で確立した分析法が全国の水道水質検査に適用できるかどうかを検証するために, 15機関において水道水を用いた添加回収試験を行った結果, いずれの測定機器を用いた場合も両物質について「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」の真度, 併行精度および室内精度の目標を満たした。以上のことから, 本分析法は水道水の標準検査法として利用可能と考えられる。
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© 2016 公益社団法人 日本水環境学会
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