水環境学会誌
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研究論文
開発途上国における実機スケールDHSリアクターのスタートアップ特性および高有機物負荷条件下における有機物処理性能
野本 直樹Tyagi Vinay KumarAli MuntjeerJayaswal KomalMaharjan Namita井口 晃徳幡本 将史大久保 努高橋 優信久保田 健吾多川 正上村 繁樹山口 隆司原田 秀樹
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2017 年 40 巻 1 号 p. 11-19

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抄録
UASB (Up-flow Anaerobic Sludge Blanket) -DHS (Down-flow Hanging Sponge) システムの実規模下水処理プラントをインド国に建設し, 実証試験を行った。運転開始3か月目に, DHSリアクターのCODCr除去率は月平均60%に達した。その後リアクター停止, 流入水量変動等種々の影響を受けながら9か月目に定常状態になった。9~12か月目は, DHS処理水は平均CODCr 92 (±20) mg L-1を示した。定常状態後も, 有機物負荷は2.59~12.59 kg-CODCr m-3 day-1と変動し, かつ高負荷であったが, CODCr負荷と除去量は比例関係を示し, 高有機物負荷流入時も有機物処理性能を維持することが明示された。また, 本リアクターは開発途上国で生じ得る様々な問題に遭遇しながらも特別な維持管理を行わずにスタートアップに成功し, 開発途上国における適性が示された。
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© 2017 公益社団法人 日本水環境学会
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