2018 年 41 巻 4 号 p. 73-81
重金属類による土壌汚染は我が国における深刻な環境問題であり, 地下水汚染の要因となっている。本研究では, 代表的な土壌汚染物質である鉛およびカドミウムを対象として, 天然のキレート剤であるデフェロキサミン B (DFOB) がこれらの重金属のカオリナイトへの収着, そしてこれらの重金属により汚染されたカオリナイトを酸化マグネシウムの混合により不溶化処理した際の不溶化効果に与える影響を評価した。その結果, 酸化マグネシウムを混合した土壌が示すアルカリ領域ではカオリナイトへの吸着性が低い中性の錯体が形成されるため, DFOBにより鉛およびカドミウムのカオリナイトへの収着性が低下することが分かった。そして, 酸化マグネシウムを混合することにより不溶化処理を行ったカオリナイトを用いて溶出試験を行った結果, DFOBは酸化マグネシウムによる鉛およびカドミウムの不溶化効果に負の影響を与えることが確認できた。