水環境学会誌
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研究論文
高度浄水処理による浄水処理対応困難物質の処理特性
吉田 仁高木 総吉小泉 義彦安達 史恵中島 孝江松田 大輔上田 航太郎古林 祐正井上 裕彦林 信吾山口 進康
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2019 年 42 巻 3 号 p. 91-103

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抄録

浄水処理対応困難物質のうち, ホルムアルデヒド (FA) 前駆物質7種およびクロロホルム (CF) 前駆物質6種の高度浄水処理による処理性を調べた。CF前駆物質については, CF生成量と合わせてハロ酢酸類 (HAA) 生成量についても評価した。その結果, 凝集沈殿処理ではアセトンジカルボン酸 (ADC) は最大50%程度除去できたが, それ以外の12物質は除去できないことがわかった。しかし, オゾンおよび粒状活性炭 (GAC) 処理により, FA前駆物質およびCF前駆物質を除去し、FA生成量, CF生成量およびHAA生成量を低減できることが明らかになった。一方, CF前駆物質のHAA生成量を測定した結果, ADCおよび1,3,5-トリヒドロキシベンゼンは, ジクロロ酢酸もしくはトリクロロ酢酸の生成率が高かったため, これらの物質はCF前駆物質およびHAA前駆物質として留意すべき物質であることが明らかになった。

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© 2019 公益社団法人 日本水環境学会
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