2021 年 44 巻 1 号 p. 9-15
これまで分析法がなかったために濃度実態が把握されていなかった環境水中のシアナミドについて, 河川水中および海水中のシアナミドをダンシル化させてダンシルシアナミドとした後にシリカゲルSPEカートリッジを用いた精製を行い, LC-MS/MSで定量する分析法を構築した。この方法を用いて大阪府内の流域の異なる9つの河川で調査を行った結果, 全ての河川からシアナミドが検出され, その濃度はMDL未満から4.2 ng mL-1であった。ただし, その濃度は水域の生活環境動植物の被害防止に係る農薬登録基準670 ng mL-1と比較しても十分に低い濃度であり, 水域の生活環境動植物へのリスクが懸念されるレベルではなかった。