排水処理水を主な水源とし, 寒冷地に存在する常時湛水型調整池において2018年3月中旬の解氷時に魚類の斃死を確認した。魚類斃死事故は通常水温が上昇する時期に多く見られるが, 本件は結氷条件下で発生した。ここでは, 通年の調査結果を基に水域の水質の実態を把握し, 斃死に至る要因の把握を試みた。水域は排水処理水に由来する栄養塩により, 過栄養状態であった。非結氷期において植物プランクトンが増殖し, それに由来する有機物が底泥として蓄積した。斃死が発生した2018年3月の解氷前の調査時において, 非結氷期に蓄積された有機物の酸化分解により底層のDO濃度はほぼ0 mg L-1, 上層でも1.2 mg L-1まで低下した。その際, 還元状態となった底泥からNH4-Nが溶出し, 25.4 mg L-1に上昇した。底層のpHは8.96に上昇し, 遊離アンモニア濃度は約3.0 mg L-1が想定された。斃死事故は結氷条件下の低DO濃度とNH4-N濃度の上昇が直接の原因と考えられた。