水環境学会誌
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飼育実験によるタイワンガザミの環境DNA分解速度と放出速度の算出
平岡 礼鳥市川 哲也今尾 和正宮向 智興高倍 昭洋田中 義人鈴木 輝明
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2022 年 45 巻 5 号 p. 223-230

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抄録

環境DNAから生物群集の構造を定量的に評価するには, 濃度とともに分解速度や放出速度の知見が必要であるが, 海産十脚類の情報は不足している。本研究はタイワンガザミを例とし, 生息海域における環境DNAの分解速度と放出速度を検討するため飼育実験を実施した。分解速度係数は畜養なし個体が0.0397に対し, 畜養個体は0.0515~0.0586と算出された。魚類等の分解速度係数は0.0585~0.0919であり, 畜養個体の結果よりやや高いもののほぼ同等であった。飼育48時間後の放出速度は畜養なし個体では算出されなかったのに対し, 畜養個体は1.97~7.75 pg hr-1 ind-1と算出された。魚類等の放出速度は103~107 pg hr-1 ind-1であり, 海産十脚類の放出速度は魚類よりも遅かった。生息海域で海産十脚類の環境DNAを検出し, 定量的な評価を行うにはサンプル量等の検討が必要であると推定された。

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© 2022 公益社団法人 日本水環境学会
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