北上川水系雫石川の御所ダム下流には, 流入する小河川が複数存在する。牧草地や畑, 宅地, 主要国道や高速道路などの人為の影響を受ける人の生活圏に近い場所でありながら, カワシンジュガイをはじめとする希少水生生物が数多く残る。しかし, 希少水生生物は減少傾向にあり, 人為の影響が様々な形で現れていることが想定される。ここでは, これら小河川の複数箇所で行った通年の水質調査結果と, 集水域の土地利用区分との関係から, 土地利用種別による水質への影響の評価を試みた。その結果, 牧草地・畑の肥料や建物用地からの排水や処理水の影響に加え, 冬期において道路からの凍結防止剤の影響が強く表れた。小河川は流量が少なく希釈効果が限られることから流入負荷の影響を受けやすい。水生生物の保全が必要と判断された場合, 道路排水に対しても対策が必要である。