水環境学会誌
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調査論文
過去の岩礁性藻場調査事例に基づくCO2吸収ポテンシャルの分布
若松 孝志今村 正裕平野 伸一森田 仁彦
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2025 年 48 巻 p. 155-163

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抄録

藻場の保全・再生活動によるCO2吸収量を増大させるためには, 過去から現在にかけての海藻の生育状況等に関する情報に基づき, 藻場の生育に適する場所を選定することが重要である。本研究では, 活動場所の選定や活動によるCO2吸収量の目標値の設定に寄与することを目的として, 日本の岩礁性藻場を対象に, 藻場の衰退・消失が顕著となり始めた1990年代以前の調査事例に基づき, 海域・地点を選定し, CO2吸収ポテンシャル (トンCO2 ha-1 yr-1) を推算した。調査地点として選定した全国68地点のCO2吸収ポテンシャルの範囲は0.02~18.0であった。吸収ポテンシャルを海域別・藻場タイプ別に比較すると, ガラモ場は日本海北部沿岸域, 瀬戸内海域, アラメ・カジメ場は東シナ海沿岸域, 四国太平洋沿岸域, コンブ場は東北太平洋沿岸域で大きい傾向が認められた。

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© 2025 公益社団法人 日本水環境学会
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