水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
多摩川下流域河川表層水中における石油系炭化水素の微生物分解特性
山根 晶子岡田 光正村上 昭彦
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 14 巻 2 号 p. 123-126,98

詳細
抄録
都市河川である多摩川下流域の表層河川水中の微生物による石油系炭化水素の分解特性を検討した。
従来の生物試験法では,難水溶性の石油系炭化水素を添加する場合,固形物をそのまま添加すると正確な濃度で同等に分注できず,溶液として添加すると用いた有機溶媒がまず資化されるため,生分解特性を把握するには好ましくなかった。
そこで,加熱蒸留水を用いて超音波でエマルジョン状態にし,添加する方法に改善した。
この試験法を用いて,n-アルカンの生分解特性を検討したところ,単独では,鎖長の長短,偶数,奇数にかかわらず,多少誘導期の違いはあるが,ほぼ同様に分解した。しかし,混合した場合は炭素鎖数に奇数,偶数にかかわらず,鎖長の短いものから優先的に分解されることが明らかとなった。
著者関連情報
© 社団法人日本水環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top